R&B DJ Mix Award 第1回 結果発表


審査委員のご紹介


これを発表する前に、まず、このことをお伝えし、理解して頂く必要があります。
今回に限らず、自由テーマ・自由表現として参加DJさんがMixを作ってくれました。

この自由テーマ・自由表現というのは、非常にやっかいなもので、誰かの何かを評価するというのは非常に困難なものだといえます。

例えば、

New Jack Swingという固定ジャンルでDJスキルや選曲で良さを競ってください

というテーマを出したとします。

これだと、審査する方も、

・これはNJSなのか?
・このMixは合わないな。
・この組み合わせは有名なDJさんがMixでやってたな。

こんな評価や原点方法が考えられるため、評価するのは簡単です。

しかし、もし、このテーマで今回のMixを募集したら、Mixを提出できる人が限られてしまいます。
その結果、こんなにも盛り上がらなかったと思うし、同時に、そのDJさんのカラーすら出なかったかもしれません。

それを踏まえての自由テーマを選択したので、審査委員の方には恐ろしく負担がかかってしまいました。さらに、R&B好き・造詣が深い審査委員の方にお願いしてみましたが、それぞれ自分の好きなストライクゾーンというのは違うものです。
その違うものを客観的に数値化するというのはやはり困難があります。
最後に、審査委員の方の実名、略称、通名での紹介も致しませんので、ご理解頂ければと思います。

こういうことを先にご理解下さいますようお願い申し上げます。

それでは審査委員の紹介です。

審査委員A氏


HipHop,R&B歴25年以上。
単身NYでのLive観戦やクラブにも行くほどで新譜から旧譜までまんべんなく強い方です。
90’sは特に強い方です。

*お願いした理由:知識経験に加えて、一般のR&B好きなら同じような感覚があるのかなと思ったからです。

審査委員B氏


R&B歴10年以上は確実だと思います。
講評をするのが得意なうえ、年間300本くらいのR&Bイベントに参加する強者です。
選曲は定盤が好きとのことです。

*お願いした理由:現場に行っている数と分析力があるのでお願いをしてみたかったのです。

審査委員C氏


名前を聴けばR&B好きなら、「あぁ・・・」となるかもしれない人で、芸能人クラスのDJさんたちからの信頼も厚いほど、R&Bには深く精通しています。

*お願いした理由:変化球・魔球が来たときに大抵は反応できませんが、できると思ったし、個性や特性がずば抜けて際立っているのでお願いしてみました。

以上3名です。

審査委員からのコメント


DJ1:2chiee


審査委員A氏
シャニース、SWVのREMIXから始まり個人的に出だしから聞く人の心をつかむMixだった。
後半にかけては単調でDJのカラーが薄くなっているように感じたが、安心して最初から最後まで聞けた。

審査委員B氏
【総評】
コンセプト通り、年代やジャンルに縛りをもうけず、Medium~Slowの聴いてて心地よいBlack Musicの選曲。
Slow JamのMixは偏りすぎるとしっとりし過ぎてしまいますが、そこはうまくバランスの取れた選曲で
30分通して飽きがこない内容。

【細評】
J.LoからSay Yahつなぎで一回止めてのイントロは、流れが止まっちゃうのでもったいない。
中盤、後半なら流れを変えるのに使うのはありだが、序盤だと、おっとここで、となるかな。
テンポよく来た分Tender Kissesがちょっと間延びしちゃったかな。
When the Partys Overまできて落としすぎちゃった感はするけど、Darriusへの繋ぎ方はよかった。
MedicineからDown For Youのつなぎのとこの音量、ちょっとビート強すぎかな。
最後のMariahのRemixのほうを使うのはありですね。
ただ、Slow Jamのコンセプトでこれが最後だとちょっと締まりとしてフェードアウト感が足りなくなってしまうかな。

審査委員C氏
なし。

DJ2:Akira


審査委員A氏
最初から英語ではない言語の曲で始まり、玄人受けしそうな非英語圏の楽曲が多いが、全体的にスムースなつなぎなのでまるで一曲を聴いているかのようなまとまり感だった。
ほっこり感はあるが、ドライブデートで下心あるようなエロさは感じなかった。
カフェで流れていそうなさわやかさを感じるMixだった。海外の曲ばかりでR&BというよりもPOPSの印象が強い。R&Bを広めるという審査の最大のテーマからは一般的、個人的に外れていると思った点が最大のマイナスポイント。

審査委員B氏
【総評】
作者のコンセプトで言ってる、そんなシチュエーションでこのへんの曲で反応してくれるお姉さんがそもそもいるかどうかもわかりませんが、、
R&B Mixというより、晴れた休日の昼下がりにハッピーな気分にしてくれるPopなR&B Mixって感じ!
ど定番のR&Bを期待しても入ってませんので、ふつうのR&B好き向けではなく、相当な玄人でないとなかなか難しいかもしれません。
もしくは、R&B Mixという先入観がない、全く曲を知らない人が聴いたほうがすっと入っていくMix。

【細評】
出だし、カンツォーネでも始まるのかと思った、笑
選曲のマニアックさと幅広さでR&Bってジャンルの枠を再考させる内容。Bossaも入れてるし。
一般的なR&B好きはヨーロッパものまで聴くのにやっぱり障壁があるので、
玄人向けにはうなる内容でも、その内輪だけで盛り上がる形になってしまうので、そのバランスは必要かもしれません。

審査委員C氏
なし。

DJ3:Lotman


審査委員A氏
FatJoeのラップから始まる曲、HipHop好きにも最初から心つかまれるMixだった。R&B好きが好きな曲のカバーあり、韓国語もあり、HipHop好きも楽しめるmix。Ice Cream Dreamから意外な韓国語のつなぎ、など意表を突かれるジャンルのつなぎだけど、Mixがスムースなので、違和感がなかった。DJスキルも含め、総合的によかった。Mixのコンセプトと「R&Bを楽しむ」最大のテーマにあっている。

審査委員B氏
【総評】
R&Bというジャンルの中の一部であるNew Jack Swingと言えども、そこも奥が深いですし、人それぞれで定義があるのを再認識する内容です。
序盤と終盤はNew Jack Swingの定番でまとめていますが、
New Jack Swing Mixというより、普段聴く機会が少ないで思われる中盤の韓国のR&Bの曲などを知れる内容ですね。

【細評】
I Get Liftedはだいぶひっぱったなぁと思ってBlack系NJSでまとめて行くと思ったらSES、笑
TashaのはNJSというより、Sisqoの頃以降のビートかなぁ。。
チャーリーはというか、Ice Cream DreamはNew jack Swingなんだっけ、My, My MindとかCity Breezeだっけ、ここまで韓国に行ってしまうと、一般的にはキョトンとしてしまうから注意。
からの、いきなりTLC入れたのはちょっと唐突すぎて、あの入れ方は現場でもたまにあるけど聴く側が乗るタイミングを逃してしまいがち。
New Jack Swingはそれが好きなダンサーさんからすると定番待ちなところもあり、
知らない曲だと1番を聞いて流れを覚える形になるので、マニアックなものを入れるとフロアは止まっちゃいますね。。

審査委員C氏
テンポよくつないでいる。
コンセプトを少し外しているところはあるけど。

DJ4:G.G.


審査委員A氏
テーマの通り、心地よさあふれるMixだったが、無難な曲が多いように感じたのと、エリシャラバーン2曲続けてのMixは普段のDJMixでは良いが30分で勝負するコンテンストではカラーが出ないように思えた。

審査委員B氏
【総評】
作者のいう通り、とても心地よいR&B Mixの作品になっています。
定番のあのFemale R&Bの曲から美メロまで、とても女子受けがよさそうな内容です。
(玄人には物足りないかもしれませんが、、)
現場で聴くMixとCD(っていうか今はMixCloudか、、)でのMixでは、求められる流れ、選曲、曲の長さも異なりますが、
この内容ですと30分は短くてもっと長く聴きたくなりますね。

【細評】
Elisha La’verne、Joy Enriques、Brandy、Latoya Londonと
R&B初心者から中級者まで聴きやすい流れでうまく繋いでるますね。
終わりにかけては、繋ぎのMixではなく店のクローズと同じに落としにいってしまっているので、もう少し繋いでもよかったかな。

審査委員C氏
なし。

DJ5:Tsuyoshi


審査委員A氏
テーマ通り、美しいメロディーがつまった30分。Mixもスムースで流れが綺麗だけど、もう少し歌が入っているほうが好み。歌あってのR&Bなので、例えば、美メロの流れを壊さないようなハイトーンボイス、ウィスパーボイスの曲などをつなぐなどの工夫が欲しかった。ただ、DJのカラーは出ていると思う。

審査委員B氏
インスト、Dubバージョンをメインにするコンセプトは面白いですね。
店舗のBGMだったり、R&BというよりHouse寄りやラウンジスタイルのイベントに合います。
クイックでいろんな曲を聴くよりもじっくりとメロディを楽しむ時向け♪
【細評】
インストだとどうしても長尺で聴かせたくなりますが、30分という制限だと1曲の間延び感は否めないですね。
最後のLighthouse Familyとか、そこまで続けたらボーカル聴きたくなるわ、って。

審査委員C氏
あとで、職員室に来るように。

DJ6:Yamaguchi Love


審査委員A氏
リゾート感あるMix。パッタヤビーチでトロピカルドリンクを飲みながら聞きたい気分になった。綺麗なMixだけど、黒さが足りない。R&B感は全くない。

審査委員B氏
【総評】
Thaipopがこれだけ聴けるMixもなかなかないのではないでしょうか。
R&Bを掘り進めると英語圏以外でないと新たな発見がなかなか無くなってしまいますが、まさにそういう人のためのMix。
タイ語という先入観なしで、ポップなR&Bな音を聴きたい時に合いますよ。
【細評】
タイポップを聴いてアドレナリンが出るのは、相当なR&B狂レベルまでいかないと無理でしょうから、一般的なR&B好きには、ポップなR&B特集というほうが入りやすいかもしれません。
私もここは未知の領域なので、、、よくわからなくなってきました。。。

審査委員C氏
なし。

DJ7:毛利 The Samurai


審査委員A氏
ハッピーな雰囲気が伝わってくるMix。よく聞く曲の始めて聞くカバーもあり味があった。
つなぎの時にピッチやボリュームがあっていない等の技術面で気になるところが多かった。
みんなが知っている曲が多く、曲の展開がわかるだけに余計に技術面が気になった。
有名な曲が多かったのでアングラ感もあればよりカラーが出ると思う。全体的に技術面のマイナスが改善されればもっとよいMixになると思う。

審査委員B氏
【総評】
R&BのWeddingSongMix、これは求められることもありますし、重宝するのではないでしょうか。R&Bからレゲエ、J-Popといろいろてんこ盛り。
はい、ちゃんとLifetime Respectも入ってます、笑
【細評】
せっかくWeddingSongMixなら、Unchained Melodyのカバーより、みんな聴いてわかるshaniceを出だしから流したほうが使いやすいかも。
この流れなら、R.Kellyを入れるのはそこじゃないかも。
三木道三からだと、Make It Last Foreverをしっとり聴くモードになれなくて、、、最後のSlow Jamへの流れも強引さが、、

審査委員C氏
なし。

DJ8:Shigeccho


審査委員A氏
全体的にキャッチーな雰囲気で聞きやすいが、Mixのつなぎのフェードイン、アウトがうまくできていないのと、つなぎの時のボリュームの違和感等の技術点がマイナスポイント。
コンセプトに幅広い展開とあるが、有名な曲が多いのでDJカラーが出ていないように思えた。マイナー、アングラも欲しかった。

審査委員B氏
【総評】
メロディアスなキラキラR&Bから始まり、90s00sのあの名曲からRihannaのあれとあれまで
R&B/HipHop好きな方には盛りだくさんな内容。
途中、90sぶち込んでますけど、今のBlack Musicが流れるクラブはこんな曲とかも流れてますよ、って感じかな。
【細評】
Take Thatは流れ的には強引な気もする。
まず2000年代のから始まって、いきなり90年ど真ん中の音で、
C.B.じゃなくてどちらかといったら順番逆のほうが違和感なかったかも。いや、Baby Come Backと関わらせたほうがいいのか、、
Finesseに行く前にKeith Sweatではない気がするんだよなぁ。。

審査委員C氏
選曲をまとめるといろいろ入れすぎな感じがしてまとまってる感が微妙。
コンセプトは後付っぽい。技術はありそうなので次回に期待したい。

DJ9:Mama


審査委員A氏
有名な曲が多いので、よくありそうな安直なMixに思えた。次の曲に何がくるのかわかりそうな展開。Mixつなぎの際に、最後までフェードアウトしてなくて、誤魔化しているつなぎが多かったのがマイナスポイント。「R&Bを広げよう」という意識は伝わってくるが、もっとマイナー、コアな曲が入っていればさらにMixに色がついたと思う。

審査委員B氏
【総評】
00年代のGirls R&Bを中心にいいとこ取りの選曲で(HipHop寄り過ぎてない)R&Bを堪能できる内容です。
まさにSweet R&B Mixといった内容で通勤通学で聴きたいMixですね。
【細評】
NellyからThalia、J.Loの流れはベタかもしれないけど、入れ方といいこれはほんと聴きやすいですね。
PCDはラスト曲のイメージが強すぎなので、途中で入れた時はどうつなぐと思ったけど、なるほどね。
最後にBrian Mckightもってきたかったから、うまくいフェードアウトして入れたなと。
けど、これで結構長尺使っちゃったからもう少し他のも聴きたかったなぁ。
全体的には、選曲のバランス、繋ぐタイミングも非常聴きやすい作品。

審査委員C氏
15点(位あげても)でもいいかな。

前述しましたが、3人の方も審査には難航したようです。
その苦労を少しでも汲み取って頂ければ、幸いです。
ということで、Top3の発表です!

続きは次のページで!

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