ここ数年アナログ回帰から始まり、アナログ人気が高まっていることや80s人気からの90s人気やSWV,TLCはじめ、Silk,After7などの新譜も出たりと話題には事欠かないくらいR&Bが爆発してもいいネタが豊富だ。
しかし、それをうまく処理している情報網が無いというのが、今ひとつ、日本でR&B人気が出ない理由になっていると思う。
つまり、
アーティスト
↓
配給会社
レーベル
↓
情報誌
サイト
↓
DJ
ファン
消費者
この流れの中で、情報誌の部分が間違った情報発信をしてしまっている結果、ファンや消費者にその魅力が届いていないというのが、今ひとつ盛り上がれない理由になっていると思う。
例えば、あるアーティストを紹介するキャッチコピーに「10年ぶりに大望のアルバムをカット!」と、書いたところで、若い世代にも10年前にそのアーティストを聞いていた人にも響かないだろう。
10年前にR&Bを聞いていた人が今もまだ10年間もR&Bを聞いているという前提がおかしいし、10年間もR&Bが好きで聞いていた人なら独自のルートでその情報をゲトっているはずだからね。
なので、いくら大御所とはいえブランクがあるなら、それはもう新人と同じ扱いで新しい切り口で売りださないと響かないだろう。
アメリカでは昔、こんな配給スタイルが一般的だった。
アーティスト
↓
配給会社 ︎→ DJ →ファン・消費者
レーベル
↓
情報誌
サイト
↓
ファン・消費者
アメリカでは今でもこの流れが強く根付いている。
これがここ最近の若いSNSを使いこなしている世代では、たとえば有名な話だが、Drakeなど一部のアーティストでは、プロモーションも自分自身で行っているのだが、それをイメージ図化すると、こんな感じになる。
アーティスト ︎ →ファン
↓ → DJ
配給会社 ︎ → DJ ︎ → ファン・消費者
レーベル
↓
情報誌
ネット
↓
消費者
格段にファンに対しての露出が多くなる。
同時に、ファンよりも情報誌・サイトのほうが情報も遅くなる場合がる。
人間は何度も同じものを見ると無意識に刷り込まれ親近感を覚える。
ザイオンス効果と呼ばれるのだが、それが広告としては非常に有用だと言われているわけだが、先程書いた図の1,2,3ではどれか一番効果的か考えるまでもなく、最後の3が一番効果的だろう。
結果として、アーティスト直接のプロモーションをするほうが、お金を払って情報誌やサイトが取り扱うような広告よりもマネタイズという視点で考えると圧倒的に効果が高いのも理解できる。
イメージ図1は日本ではもっとも多い配給方法だが、今後もこの方式が採用されていくとは思うが、CDが売れない、曲すら聴いてもらえない、ライブでも人が集まらないという三重苦が続いていくはずだ。
それを理解していないアーティストや配給会社やレーベルはアーティストが売れないと嘆いているだけになっていくだろう。
このシステムはDJにも同じようなことがいえる。
配給会社やレーベルに所属しているかいないかに関わらず、アマチュアでもお金を稼いでいるDJは日本ではごくわずかだが存在する。
それは海外ではよく見るスタイルだ。
日本でも若いラッパーでは見ることもある。
この辺りはビジネスセンスなので、金を取りたい会社には向かない。
この配給方式をやめない限り、日本ではR&Bが流行らないし、日本人アーティストも売れていかないだろう。
曲がいいとか、悪いとか以前に、ビジネスセンスが無いまたはビジネスモデルが悪いから、曲すら聞いてもらえないのが今の現状になっている。
それは同時にMixCDやBGMに規制をかけすぎているjasracにも問題があるが、そこもまた利権問題があるのでなかなか改善は難しいだろう。
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