今日は、ここ3か月ほど考えていた、LotRecordsのシラバス2016を改定した。
For NewComers(初めてロトレコを利用される方のガイド)
ロトレコシラバスというのは、「ロトレコのご利用案内」というものである。
それを改定する必要があったのには、「ロトレコの存在意義」を確認したくなったからだ。
もともと、松戸で始めたレコード好きの集まりがきっかけだったので、当初は、それを恩返ししたくて、松戸・柏のDJさんやイベンターさんたちのお役に立てればと思って、「地元を応援する」ということを目標にしてやってきた。
2009年に埼玉に移転したのだが、埼玉にはそういうシーンがもうなくなってしまっていた。
移転当初に知り合ったのが、DJ Tsuyoshiである。
そこから、DJ MAMAと知り合いになった。
だが、先輩後輩関係が強固なイベントをやっていたので、移転し力の無いウチが応援できるようなイベントではなかったのだ。
その後、DJ SchoolやDJ Bar等を開始するが、どれも俺の力不足で中途半端な結果となった。
「地元を応援する」ということが最早目標にはできなくなった時期だった。
2011年にDJOEに会い、2012年にYazuuさんに会って、DJ復帰をすることになり、2012年にはAXやXXX等イベントの下地をつくることで多少の協力関係を築けたような気がした。
2013-2014と活動を続けたが2015年には私事でそれが大きく逸れてしまった。
この時期は、渋谷で活動をさせてもらった。
活動拠点が、埼玉ではなく、渋谷になった。
今でも、ShiftyのオーナーのDJ Kiyoshiさんや、UnderBarの店長だったJunくんや現在の福店長には感謝が絶えない。本当にお世話になりました。
2015年の9月からレコード屋として本格的な活動を開始したのだが、上記の結果が起因して「ロトレコの存在意義」というものを見いだせなくなってしまっていた。
こういう「なぜ、今、俺はこれをしているのか」ということはDJ活動や仕事等にも多くみられるだろう。
目的を失ってしまうと、やる気は低下し、他の方向に目が向きがちになる。
俺もそうだったと思う。
2015年11月現在、お店とは思えないような投げ売り価格のオンラインショップが乱立し、プロが選盤しているとは思えないようなラインナップが主流になり、オリジナル盤ではないブート盤こそがコレクションすべき内容だという、従来の常識を覆す自体が起こっている。
これは、レコードコレクターの流行であると認識している。
その流行が結局行きつくところは、コレクションとして成立しない結果であるということを、何度も見てきた。
というのは、例えば、服飾ブランドのWネーム等のありえない海賊版が流行った時期があるのだが、そういうハイブランドのありえない海賊板は売れたが、結局、海賊板は海賊板でしかない。
レコードでもいろんな流行廃りがあった。
UK R&Bの流行、EU R&Bの流行、R&B Houseの流行が出来、オリジナル盤の高騰後、それらの盤のブートやそのアーティスト周りのブートのみの盤にしか収録していないブートが枚挙にきりがない。
結果として、それらブートがどうなったのかといえば、マイナーR&Bと共に廃棄されただけだ。
価値としてほぼ0に等しくなったものが多いのだ。
しかし、そういう曲をコレクションするのもまた、面白い。笑
矛盾しているからこそのコレクションになるわけだ。
*これは先日宏さんと話をしていても痛感したのだが、アメ車とかも同じなのだろう。
レコードはアンティークとして美術品として音楽としてメディアとして、客観的な価値が存在する。
そのコレクションもまたコレクターの数だけその様式も存在すると俺は思っている。
これらの流行廃りをずっとなかなか受け入れられず、BlackLabelをやってみたものの、納得がいかず漠然とこの3か月余り考えてきた。
今、なぜ、どうして、レコード屋をやりたいのかと。
そして、この先どういうレコード屋になりたいのかと。
その結果を一言で言えば・・・
「Vinyls Make You Happy;)」
ということを提示したいからなのだということを思った。
時には一緒に笑い。
時には一緒に泣ける。
そんな友としてレコードまたは音楽にはそういう力がある。
MP3でもいいのだが、実体があるレコードの方がその効果が大きいのではないかと最近思うようになった。
もし、一緒に歌って踊ってくれるぬいぐるみTeddyBearとかが販売されたら、爆発的に売れると思う。
レコードの擬人化というのは在りえない価値観なのかもしれないが、レコードにはそういう依存性もあるのかもしれない。
また話がそれたが、そんなおかしな話を考えていた時に、ふと俺の感性は、「Quentin Tarantinno監督の世界観に酷似している」ことがわかった。
青年期、特に中学生になったばかりの頃、B級映画ばかりみていた。
それが後に、Quentin Tarantinno監督の映画で使われていたりすることもあったほど、マニアックな映画も多かった。
だから、今、ロトレコのラインナップを見ても不思議な曲やB級盤が多くなっているというのもわかる。
映画から得た良曲というのもかなり多いし、実際にサントラもコレクションしているので、たまにそういう盤も出している。
ただ、サントラ盤というのはまだまだコレクションとしては人気がないジャンルであることは否めないだろう。
R&B好きも少ないが、それの中のサントラ盤コレクターはより少ない。笑
また、さらにいえば、実際に映画を見ると、その映画のサントラ盤に未収録の映画で使われている曲というのを知っている人はもっと少なくなるのだ。
そういう曲やサントラ盤が出ていない映画で使われていた曲をコレクションしたり、映画鑑賞中に発見する楽しみもよくある。
こういうことを漠然と考えていたら、ロトレコの行き着く先は、「B級」が理想なんだなと痛感した。
俺の人間性を見ても「B級」までいければ最高だと思うし。
商品のラインナップを考えた昔、何が出てくるのかわからないような、ごちゃごちゃしているお店がいいと思い、ドンキホーテのような品揃えを目標にしたが、それを来年はそれをより強化するのと同時に「B級」に特価していこうと思っている。
来月より、今年の最後の放出盤を出す予定だが、それにも色濃く表れると思う。
レア盤特化店
安価盤特化店
ブート盤特化店
特定ジャンル特化店
等、レコード屋だけでなく、全てのお店やビジネスで強みを意識し、特化型にすることを余儀なくされている現状だが、ロトレコは原点に戻って、「B級」「マイナー盤」を中心にだらだらと意味の無い話をしていきたいと思う。笑
この意味無い話こそが、ロトレコの特徴であり、まだ聞いたことのない曲を提供するのが俺の仕事だと昔から認識している。
それが、結果として、「Vinyls Make You happy;)」につながれば、これ以上の喜びはないだろう。
これがここ三ヶ月あまり考えていたことのまとめ。
考えるきっかけになったのは、いいことだったと思うし、すっきりしたので書いておこう。
今日はあいにくの雨だが、気分良く仕事をはじめようと思う。
では、またロトレコで。
Best Regards,
LotMan