レコードの値段が爆上がりしている今そこにある危機


こんばんわ。
あと1週間の猶予で社畜へGoのロトマンです。

最近はめちゃくちゃ時間も余裕もなくなってきてますね。
理由はやりたいことがどんどん出て来て、かつ、出来てきているという、いわゆるリア充というやつ。

年内に次のステージに進めるか、それとももっと早くなるか、楽しみ!
というわけですが、ここのところ、中古レコードが高過ぎて、思うような仕入れができてません。

これってマジやばいんじゃないの?と焦っているわけですが、今日はそんな話です。

*スポンサード リンク*


レコードの値段が爆上がりしている今そこにある危機



*メガレアマニアの中でも知る人ぞ知る1枚

レコードの値段が上がるというのは、もうすでにそのレコードをコレクションしている人には嬉しいお話です。
しかしながら、これから買いたいなと検討している人には地獄の始まりだったりします。

その傾向がどんどん広がって、買うレコードがすべて爆上がりしてしまったら、どうでしょうか。
今夜はそんなお話を書きます。

予想以上にレコードが世界的に早く枯渇しそう


ここ最近の流行りでいけば、海外勢にはLP人気、国内では7インチブームなんてのが来てます。
ここら辺を基軸にして、12インチシングルもじわじわ再燃している感じです。

どんどん値上がりしているレコードですが、どんな物やどんな層が買っていくのか、その傾向をまとめますと、以下の3点。

値段が高いレコードを買わずに、同じ曲なら12インチシングルやブート盤も人気


LPや7インチではめちゃくちゃ爆上がりしてしまった曲を、オリジナル12インチシングルで買ったり、ブート盤で済ませるなんて傾向が強いですね。

このこだわりがある層っていうのかな、LPだけをコレクションしている層は日本人には少ないのですが、海外では飾ったりするためにも、LP人気は根強くて、再発のLPですら万越え当たり前になってます。

国内では7インチレコードでDJする人が爆増しており、とんでもない人気になっている一方、数年前に覇権を取ったJamaica盤などのブートが値下がりしてきていますね。
まぁ、盤質も悪いし、それでしか曲が無かったうえ、Jamaicaからの送料が鬼でどんなに安くても5000円、普通に8000円位かかるのでヤバかったですよね。

そのあたりを踏まえてか、安価な12インチシングルでそろえようという人が増えています。
同時に、ブート盤でも聞ければいいやという人も多いですね。

昔は、「プロDJなのに、ブート盤なの?MIXCDを買って聞く人に失礼じゃないの?」などと言われた時期もありましたが、PCDJ全盛期ですからね、何が正義かというのはもはや陳腐化していると言ってもいいでしょう。

それに去年、MUROさんの番組等でも取り上げられてましたが、「勝手にREMIXの7インチレコード」が人気というのも、再発同様に安価だからかなと感じます。

過去にレコードコレクションをしていた層がオリジナル盤を買いなおしている傾向でレコードがより高沸騰


どんな層がレコードをたくさん買っていくのかというと、「昔、レコードコレクションをしていたおじさん」です。
ここがお金にも知識も余裕があって、すでにかなりの枚数を持っているにも関わらず、一定数買っていってるんじゃないのかな。

よく聞くのは昔高かった記憶のあるオリジナル盤を買いなおしているという話。

若いころはオリジナル盤を買うだけのお金が無かったから、お金に余裕のある今、オリジナル盤に買いなおすという人ですね。

いずれにしても、レコードコレクションはお金のかかる趣味ですので、それが顕著化していくと思われますね。

若いお金に余裕のある層も集中的にレコードを購入


ロトレコでも多そう、あくまで、推測に過ぎないのですが、IT関連のヤングリッチと呼ばれる30歳前後の層が、結構ガツンと買っていく印象を受けます。
前述したおじさんの層はゆっくりと買っていく感じで、あれもこれもぽつらぽつらという買い方ですが、こちらは狙った盤はいくらも積みます的な勢いを感じますね。

ギラギラ感があるというか、そこに若さを感じるというか。

実際の年齢等は全く不明なので、わからないけど、そんなオラオラ感が出る30歳前後。
仕事もプライベートも順調!
レコードコレクションも順調!

最近は、世代問わず、車も家も買わないので固定費も決まっているから、買い物には余裕がある層が増えているのかもしれません。

レコードの値段が爆上がりするのは良いことだが、実は日本人には厳しい切実な事情


レコードの値段が上がるのは良いことだと思うけど、それで困る人も多くなりそうな日本の実情があります。

賃金が上がっていかない日本人


今年の春闘3%アップという話で、年収600万なら年収18万アップ、月換算1万5000円アップだそうなんですが、年に1万円上がる会社がほとんどないそうです。
10年勤めてもステイという人も多いなか、Twitter等では載せたけど、NYの皿洗いのバイトは時給2070円(最低賃金)ですら人が集まらないという。

数年前からオーストラリアではレストランで食事を取ると粗末な内容にもかかわらず最低2000円かかるという話が話題でしたが、日本は牛丼屋とかではまだ500円以下で食べられるお店も多いですよね。

つまり、2000円に対する価値が海外よりもかなり高いと感じるわけです。

約4倍の体感差があるのかもしれません。

だからこそ、このLP人気がわかるともいえます。

120ドルしていても、買ってる方は30ドル位の感覚。
30ドルなら、ちょっと前の日本人だと3000円クラスでしょうか。

LP3000円なら日本人の相場でも納得できる感覚です。
実際は13500円前後なんですが。

給料がせめて2倍になって最低賃金がそれでも2000円いかないからね、日本。
マジで貧乏だと思うけど、住みやすいから、今後も外国人の流民が多く入ってきそう。

レコード屋が仕入れ困難に陥る近未来


そんな背景がある中で、レコードの仕入れが高くなると困るのがレコード屋です。

レコードを高く仕入れたら、その分利益乗せて売ればいいじゃんって話がありますが、利益率って日本だとほぼほぼ同じなんですよね。

1000円の盤に対して20%の200円位が利益です。
例えば、10000円の盤を買ったら、なんだかんだで2000円が利益になる買い方をしないと赤字です。

8000円まで買えるのかというと、そうじゃないです。
経費やら人権費、送料等を入れるので、実際には原価50%経費・雑費・人件費で30%位ですかね。

そうなると5000円のレコードを買って1万円で売れたら2000円の儲けです。
*ざっくり書きましたがけど、実際には無理ですね。3000円位までにしないと多分、やっていけないと思うな・・・。

話を戻しますが、高沸騰していく中で原価も高沸騰していきます。
先ほどの話同様、5000円で買って1万円で売れるレコードの質が大きく変化していきます。

何度か書いてますが、私が初めて買った高級レコードは、Jody Watley / Friendsのジャケ付きUS盤です。
当時4800円で、東京ブンクーンさんで買いました。
今でもコレクションしてあります。

今2022年でこの盤を探すと100円くらいからある程度のお店で1200円位で見つかります。
これが流行り廃りです。

この状況をまんまレコードが高沸騰している状況に合わせると、このJody Watley / Friendsが流行っていない、流行りが終わってしまった状況で、4800円で買い付けて、1万円で売らないといけない時代になるというわけです。

わかりますかね・・・、この怖さ。

ある程度の人気盤がどんどん高沸騰して値段がはねていくのをただ見ているだけになっていくのです。
買えたとしても、日本人のお客様が、欲しいと思える盤、思える金額ではなくなっていくのです。

あるお店では1000円だけど海外モールでは15000円という相場


今日、海外モールで何か買おうかな~と思ってリストを見ていました。
すると、投げ捨てられていたLPが150ドルまでハネていました。

アイドル路線の日本でしか流行らなかったようなカスR&Bなんですが、LPが150ドルwww
18000円ですよ。

このお店、日本のレコード店です。
完全に海外向けのプライシングでしたが、多分、近く、これが相場になるのかなと思って、焦りました。

そこでもう買えないのかなと思い、検索したら800円で見つかりました。
早速1枚だけ買っておきましたが、あるお店では800円、ちゃんと値付けしているお店では16500円前後という価格です。

どちらが良い、悪いという問題ではなく、今がシュレディンガープライスになっているという事実を把握していないとダメだということです。

そのお店は常に最低価格をマークしてくるお店でもあるので、もちろん、レコードコレクターの方なら多くの方がご存じのお店です。
今後、150ドルが最低価格になる可能性は十分にあります。

その時に、150ドルでも買えたらラッキーという感覚になるのかどうかというのは、その時になってみないとわからないけど、安価で買えるなら大してほしくもない盤ですら、それなりに早めに買っておくのもいいと思います。

値上がりしていないジャンルに挑む上級者と爆上がりしたレコードを買う初心者という構図


ロトレコでは使命として、昔から、「マイナー良曲の布教」というものを掲げて活動してきました。
知られていないけど、鬼レア、メガレアで、超絶良い曲をどんどん紹介してきました。

ですが、残念ながら、限界はある。

めちゃめちゃレコードもCDも7インチもLPも音源ですら毎日買ってます。
毎日買っていても、全然追いつかない。

それどころか、こうして記事を書かねばならんと思うくらい、世界のレコード相場の値上がり速度が異常なんですよ。

勿論、日本のコレクターもかなり買ってると思います。
俺が思うのは、この20年のレコードコレクターは日本が平均値では世界一だったと思う。

日本のコレクターが買い過ぎた結果、世界のコレクターも本気を出してきた感というか、まぁ、有体に言えば、景気が良くなって買えるようになってきた結果、不況が続く日本のコレクターの購買力を超えていったともいえます。

この傾向から、次の話をしたいと思います。

上級者ほどレコードが値上がりする前に買う


レコードコレクションをある程度続けていると、「買い時」というのが見えてくる場合があります。

「あれ、この盤、さっきも見たな。余ってるのかな」

上級者は、「今が買い時」と思って買いまくります。
これが初心者だと「良く見るな、余ってるのかな。じゃあ、いらないわ」となるのです。

ある市場に、複数枚同じ盤が出ているというのは、「まったく人気が無い」か、「知られていないだけで、誰かがストックを出した」という状況があります。
他にも運よくある場合もありますが、大きな傾向はこの2つです。

まったく人気が無い場合は、買う気にもなりませんので、論外です。

重要なのは、「知られていないだけで、誰かがストックを出した」という場合で、普段見かけない盤が3枚もその場にあったら全買いしていくのが上級者です。

なぜなら、今後も見かけないレコードが3枚も買えるということは、それだけ、今後の捕獲が困難になることが予想されるからです。

これが、上級者ほどレコードが上がる前に買っていく理由です。
勿論、曲を知っているから人気盤がわかるという話もあるのですが、曲を知ってるかどうかって実は買うタイミングにはあまり関係無いんですよ。

レコードを買うというのは、もっと特殊なもので、ある種の魔が差した状況にあると思います。

初心者ほど高くレコードを買ってしまう理由


前述した内容以外に、初心者が爆上がりしているレコードを買ってしまう傾向が高いのは、「今、自分が欲しいレコードを買ってしまうから」というのがあります。

これが良いとか悪いとか、上級者はそんなことをしないというわけではないです。

上級者も、もちろん、私は今でも、「欲しいから」という理由で、さらに悪いのは、「家でレコードを探すのが面倒だから」という理由で持っているレコードを買う場合も多くあります。
ですが、それは納得している状況での話なのです。
なので、後になって「あのレコード高かったな」という後悔は少ない、いや、ほとんどないのです。

逆に、この後悔が多いのが初心者です。

「なんで、こんな盤を買ってしまったんだろう」

めちゃくちゃあると思います。

この理由は、「レコードに対する予算を計画していない」からなんです。

例えば、Monica / Before You Walk Out Of My Lifeを見つけたときに、上級者は「2000円まで」とか制約をつけている人が多いのです。

初心者は見つけたら、「即時購入」に至るケースが多いので、3800円等で買ってしまいます。

その後、1600円で出てきたら、「損した」と思うのです。

実際には、その3800円の方が盤質が良かったり、流行りの時期だったり、この曲なんぞは1年中人気がMariah/All I Want For Christmas Is You Is Youなんて年間で5000円と1万円位差があるんですよ。

当然、クリスマスが近くなると爆上がりします。

プレ値が悪いなんてことは全く無いし、ちょっと追い風が吹けばさらに値段が上がって、プレ値で買った以上に爆上がりするなんてことも良くありますよ。

なので、欲しいから即時購入が悪いというわけではないのです。
ただ、全部の購入に対し、指値が決まっている上級者と本能のまま買ってしまう初心者には、値段の面で大きく差が出ているという話です。

レコードの値段が爆上がりしている今そこにある危機・まとめ



PLASTIC LOVE (アナログ盤) (完全生産限定盤) [Analog]

この曲もめちゃくちゃ人気で、プレ値がついているお店もありますが、こうしてアマゾンでも定価位でいまだに購入することができます。

こういう新譜を取り扱っていければ、薄利ではありますが、レコード屋もやっていくことは可能かもしれません。
ただ、ロトレコのように「中古レコード、R&Bのみ!」みたいな業態だと、今後押し寄せるかもしれない、レコード高沸騰化、レコード枯渇時代には、やっていけないでしょうね。

そのくらい、レコード人気の波を感じています。

今年、コロナ禍でパーティできないのが、良いのか悪いのかわからないけれど、沢山のレコードパーティがあったら、もっともっとレコード人気も高まっていくような気もします。

というわけでして、明日もイキっていこうぜ!!

ばいびー。

*このブログは隔日の22時22分前後に更新予定です。
たまにミスりますが、ご容赦下さい。

*LOTMANのサブスク登録開始!*
ロトマンのサブスク

*オススメ記事*


値段のつかないようなくずレコードを売るにはどうしたらいいのかについて教えます
レコード収納について枚数毎にまとめてみた
HipHop,R&B,DJ Books オススメ まとめ

アナタを寝かせない夜のLotRecordsはこちらから
http://www.lotrecord.com/

LOTMAN TVのチャンネル登録はこちら!

*スポンサード リンク*