レコード店を営むという精神状態になるまで
最初に、レコード店をやりたい!と思う人が思うまでを書きます。
例えば、Aさんとか書いておきます。
Aさんは、ある日、アナログレコードに興味を持ち始めます。
その後、DJに興味を持ちはじめ、クラブやバーに出入りするようになりました。
クラブやバーでDJをするうちに、アナログレコードを沢山買うようになりました。
アナログレコードを沢山買っているうちに、ある日、思います。
「あぁ・・・もっと沢山のレコードが欲しい」
この苦悩を抱えたまま、毎日DJの練習と仕事、バイトに明け暮れます。
レコードが3000枚に達するころ、他のDJさんから、「あの曲、あのレコードを売ってほしい」と言われるようになります。
人間というのは、面白いもので、「売ってくれ」と言われると売りたくなくなります。
Aさんもそうでした。
しかし、Aさんがレコードをコレクションするためにレコードを買っていると、たまに、欲しいと言われたレコードに巡り合う機会があります。
そこで、Aさんは他のDJさんのために、そのレコードも買うことにしました。
SNSなどでそのレコードが2枚目を買ったよと報告すると、たちまち数人から「譲ってくれ」と声をかけられるようになりました。
Aさんは、買った値段に1000円(交通費または送料の一部程度)を乗せて、その値段でもいいならという条件付きで転売することにしました。
ところが、そのレコードを欲しい人が2人いたため、自分のコレクションからも出さないといけなくなってしまいました。
こまったAさんは自分のコレクションも泣く泣く放出してしまいます。
また買えばいいやと思ったわけですが、いつ買えるのかわかりません。
しかし運良くBさんからそのレコードを譲ってもらえることになりました。
持つべきものは友。
ということで、自分がかけたい曲で欲しいというレコードが他で見つかった場合、もう1枚買っておくことにしました。
これが、Aさんがレコード屋を始めるきっかけとなった出来事でした。
まぁ、大体こんな感じで、
初動は「レコードがもっと欲しい」なんですよね。
レコード屋っていつ売れるかわからないから、利益率はあまり高くないです。
*詳しい話は先日書いた保管料にもありますが。
続いて、「身内に転売」ですね。
ここまで来たら、まず9割くらいの人がレコードの転売を始めます。
ただ、業としてやり続けるのは、上記のように薄利なので困難を極めます。
本当に儲からない。
1枚だけを見て、キャーキャー言う人もいるのですが、たとえば、昔みたいに1枚100円で買って1万円で飛ぶように売れた時代ならそれは儲かるでしょうけど、今は時代が違いすぎますよ。
この前書いた話でも詳しい考察を入れてますが、$50で買った盤を$100で転売できたとしても、利益は精々$20前後です。
*参考*
レコードの値段 – 続き –
買値をできるかぎり安くしないといけないわけですが、それは、売り主を騙して、1枚5円10円で買いたたくとか、運良く価値を知らない売り主に出会うしかないわけです。
売り主も、海外モールやレコード屋の相場を見ていれば、自ずと大体の相場や売値がわかる時代なので、そんなに簡単に安価で買える時代ではないのです。
特に、これからレコード屋をやろうとしている人にできる最大のアドバイスは、「2枚目をどうするか」です。
1枚目は10年前に買った盤だから1000円で買えたかもしれないけど、今じゃ1000円じゃ送料にもならないし、国内で見つからない可能性が高い。
特に、ここ数年で人気の日本盤や日本企画の10年前はゴミ扱いされていたものが急に海外で人気になったりしているのを見ると思います。
それでも、まとめ売りする位なら、お店に買いたたかれるくらいならと思うなら、自分でネットやオークションでばら売りするのは面白いのではないでしょうか。
続きは次のページで!
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